vol.2 kissoraのはなし「革」
革職人インタビュー
革職人 新井哲雄さん(44)
これは、“のばし”という作業です。“肌作り”なんて
呼び方もありますが、革を染色するまえに
革の表面の凹凸をなくして、平らに、なめらかにしていくんです。
最近は、バキュームという機械で一度に大量加工するのが
主流なんですが、革だって生き物です。そこには繊維がある。
繊維を見極めて、繊維に沿って手作業でゆっくりのばしていくと、
機械では固く均一になりすぎる質感とは違った、
独特のなめらかさと柔らかさになるんです。僕らの仕事は
持った人の五感で感じてもらえるクオリティを作ることですから、
手作業だと時間がかかって、納期が遅れるとわかっていても、
僕らのスタイルはずっと変わらないんですよ。